■ about AE92 Levin/Trueno |
1987年5月に行われたカローラ・スプリンターのフルモデルチェンジに伴い登場した モデルで、歴代5代目となるレビン・トレノ。前モデルAE86との大きな違いは 完全FF化とスーパーチャージャーエンジン搭載モデル(GT-Z)の登場である。[BACK]中でも大きな目玉はやはりFF化で、これによって旧モデルであるAE86の中古市場 価格が一時は新車価格を上回るという現象が起きたのは有名な話である。
しかしながら92が86に比べてショボいかというと決してそうではなく、 剛性の高まったボディやパンチのあるエンジンは走りを求めるユーザーにも 十分満足の行くものであったし、広くなった室内やより豪華になった内装は 普通に街乗りをするぶんには便利にこそなれ、マイナスになったわけではない。 アクの強いAE86と比べて万人に楽しめる車としてのレビトレの新しい第一歩を 踏み出した、記念すべき世代である。
実際、歴代のレビトレの中でもAE9#系が一番よく売れたことがそれを物語っている。
レースの世界では宿敵VTEC勢の登場で苦戦を強いられながらも、他を寄せ付けぬ 圧倒的なパワーで壮絶な首位争いを展開、また、ラリー・ダートラの分野では 既にFF化していたAE82カローラFXからの移行が進み、輝かしい成果を残している。
さて、AE9#系は途中1度のマイナーチェンジを受けるが、4A-GEを搭載するAE92に とってこのマイナーチェンジは非常に重要な意味を持つ。何故ならば、エンジン自体の 仕様が前期と後期で全く違うからだ。前期4A-Gはレギュラーガソリン仕様で最大出力 140ps。しかし後期4A-Gはハイオクガソリン仕様で最大出力140psと、約20psもの 高出力化が図られている。現在でも16バルブ4AG特有のフィーリングの良さと相まって 16V後期4AGは今なお高い人気を得ている。
また、トヨタのライトウェイトスポーツカーを代表するレビトレだけに、 発売から約10年を経過した現在でも各種アフターパーツが容易に入手可能であると いう点、AE86の頃より培われた16バルブ4A-GEチューニングノウハウがそのまま活かせる という点、さらに新車での流通台数が多かったことによる中古市場の安定化などが 重なり、価格に比べて大変楽しみがいのある車として最近注目を浴びつつあることを 見逃してはならない。安くてパワーのある車といえば真っ先に92が候補に挙がるくらい である。
最後に92レビトレの姿を紹介しよう。きっとどこかで見たことのあるスタイルだ。
AE92レビンGT-Z AE92トレノGT-APEX GT-APEXの内装