■ トランクの雨漏り修理

AE91/AE92の持病の最たる物が、このトランク雨漏り。
今なお走り続けている個体では、かなりの確率でトランクが雨漏りを起こしていると思います。


トランクルームの床カーペットをめくり、緊急用タイヤが収まっているタイヤハウスを開けてみて、底に水が溜まったような形跡が有れば、雨漏りを起こしている可能性大。錆が出ているようならもう限りなくクロ。
水槽のように水がチャプチャプしている場合は、さっさとタイヤハウス底のゴム栓を開けて水抜きしてください。


トランクの中にCDチェンジャー等を積んでいるような場合は、この雨漏りは致命的!です。
湿気でチェンジャーユニットが錆びちゃいますよ。


さて、なんで雨漏りが持病なのかというと、テールランプ部分が雨水の排水ルートになってるんですね。

テールランプは、ボディと「ブチルゴム」っていう、ちょっと厚めのゴム製両面テープのようなもので接着されています。そのゴムが元気なウチは水がトランクルーム内に入ってくることはありません。
しかし経年劣化などでゴムが切れたりすると、その切れた隙間から雨水がトランクルーム内へ進入して来るって訳です。


したがって、本格的な対処としてはブチルゴムの張り替えになります。
しかし、ゴムはまたいつ切れるか分かりませんし、そもそもブチルゴム自体がそんなに簡単に入手できる代物ではありません(大きなホームセンターに行けば有るかも知れませんが)。
そこで今回の修理は、ブチルゴムは使わず、ほぼ日本全国で入手が容易なシリコンコーキング材(シーリング剤)を使って雨漏り修理をすることにします。



テールランプ部分。
ここがその「雨水の通り道」です。
雨上がりに撮影したので、雨に含まれる泥や砂でよく分かりますね。
(決して洗車をさぼっているわけではないぞ)
テールランプをトランクの内側から見るとこんな感じ。
あー、もう間違いなくここから雨水が浸入してますね。

犯人確定、です。

そうと決まれば、雨漏りを塞ぐコーキング材を買いに行きましょう。
今回使うのは、ホームセンターには必ずと言っていいほど置いてある、こういう形をしたアレです。

セメダイン製のシリコンシーラント。1本約300円。

なんつっても「業界の定番」と自ら言っちゃうぐらいですから、その入手性は群を抜いています(笑)

もちろん、要件(耐候性や使用温度)を満たせば別のメーカーの別の製品を使っても全く構いません。
今回は、安かったのでこっちを使いました。
カンペハピオ社のハピオシールPRO(1本198円)。


チューブ入りのシーリング剤(風呂場の水漏れやタイル止め用に売ってるやつ)でもいいのですが、今回の作業では結構な量(約200ml程度?)使いますので、コストパフォーマンス的にもこのタイプの使用をオススメします。

この手のコーキング材は、コーキングガンと呼ばれる機材にセットして使います。
コーキングガンを持っていない場合は、コーキング材とセットで買っておいてください。
1個200円程度です。

コーキングガンにセットした状態。
この状態でトリガーを引くと、コーキング材がニュルニュルと出てきます。

さてシール材の準備ができたところで、早速テールランプを外しましょう。

テールランプは、ブチルゴムでボディとくっついているのに加え、トランクルーム内からナットで止まっています。

テールランプを固定しているナットを全て外したら、あとは破壊しない程度に力任せに引っ張って外してください。
経年劣化しているとはいえ、ブチルゴムの接着力はなかなか強く、手強いですよ。

テールランプを外した様子。
「雨水の通り道」と言った意味が分かりました?

ボディの開口部に、ぐるっと黒く一周しているのがブチルゴムです。

取り外したテールランプ部。
雨水に混じった泥や砂で汚れてますね。

でも、この位置に泥や砂があるってことは、ブチルゴムによる雨水防衛線を突破してきたということに他なりません。
由々しき事態です。

テールランプに付いた砂や泥を雑巾で拭いて綺麗にし、さらに残ったブチルゴムを除去したら、今までブチルゴムがあった位置にコーキング材を流し込んでいきます。

なおブチルゴムの除去は結構面倒です。
ブチルゴムは、別名、自己融着ゴムと言うだけあって、非常にネバネバしていてなかなか取れてくれません。

灯油やガソリン等の石油燃料や、ベンジンやアルコール等の溶剤類で拭けばスパっと溶け落ちて綺麗に除去できそうな予感はするのですが、あいにく何れも手元に無かったので、マイナスドライバー等でゴシゴシこしって丹念に落としていきます。
後で知ったのですが、ガムテープでペタペタとやっていくと結構取れるらしいですよ。


泥・砂の清掃やブチルゴムの除去は、ボディ側も忘れずにやってくださいね。

コーキング材を盛った状態。
1本丸ごと使い切るぐらいの勢いで盛っていきます。

ここでケチって水漏れポイントを作ってしまうと余計に厄介なので、高さ2センチぐらいまでモリモリに盛っておきましょう。

私の場合は、1本の8割程度使い切りました。

コーキング剤を盛り終わったら、ボディへ装着します。
ぐっと押し込むと、このように隙間からコーキング剤がニュルっとはみ出てくれば、しめたものです。

その隙間からは水が入ってくることは無い、ということですからね。


さて、うまくいったら、完全に硬化する前にネジ止めしてしまいましょう。
そしてあまりにも余分にコーキング材がはみ出てきた場合は、硬化する前に早めに拭き取ってしまいましょう。

これで作業は完了です。


コーキング材の硬化時間が経過するまでは雨に降られると困るので、作業はよく晴れた日にやるようにしましょう。


そして雨が降ったら、効果の程を確かめてみましょう。
雨漏りは、していませんか?



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